100歳以上の人を百寿者と呼びますが、日本の百寿者人口は４万７千人を超えま した。しかし、百寿者の８〜９割は寝たきりで、元気な百寿者は１〜２割程度しかいません。
　私は、老年学と抗加齢医学を専門にしていますが、この10年間は元気な100歳と寝たきりの100歳はどこが違うのかという研究に没頭して来ました。その結果、「食事」、「運動」、「生きがい」という3つの要素が「元気に100歳を迎える」ために重要である事を見い出しました。
　百寿者の食事の中で、最も「元気であること」に関連しているのは、朝食です。
　元気な100歳はインスリンの効きがよくなる様な朝食を食べている事が調査の結果、明らかになりました。
　本書は、このような研究をもとに「元気にボケずに、がんにならずに」長寿をまっとうするための朝のジュースを紹介しています。レシピは研究室の協力研究員であるダニエラさんにお願いしています。ダニエラさんは卓越した栄養学の知識を持ち、長年のリサーチから長寿に最適化したレシピを作製してくれました。私自身も2年前より、朝は生の野菜・果物ジュースを500ml飲んでいます。お昼まで腹持ちがよく、ときに夕方まで外来診療を続ける事もありますが体の調子もよいです。本書は私の一押しの実践書であります。

1958年神奈川県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。 日本抗加齢医学会理事。1982年千葉大学医学部を卒業後、東京都老人総合研究所分子病理部門研究員、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て2007年より現職に就く。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。テレビ、雑誌、書籍などでの老化防止策のわかりやすい解説に定評がある。著書に『100歳までボケない101の方法』（文春新書）、『100歳までボケない朝一番の簡単スープ』（徳間書店）など多数。